girl, girl, girl . . .
2012 / 2019
Bagworms, fabric, HD video, inkjet print
This is a series of works based on the experiment of taking scraps of material from women’s clothing and giving them to bagworms to use for making their protective cases.
Male bagworms leave their protective cases when they become adults, turning into moths. However female bagworms remain in their protective cases for their whole lives, waiting for the male bagworms. The gender issue is meant to have changed in our generation, so I wonder why women still make much more effort than men concerning their appearance.
Cutting pieces of colored paper into fine strips and giving them to bagworms to use for making their protective cases is a traditional pastime that Japanese children have enjoyed over the years.
『枕草子』にも登場するミノムシは、日本では古くから馴染み深い昆虫です。ミノムシの幼虫は、小枝や葉などの身の回りのもので巧みに巣筒をつくる習性があります。
作品《girl. girl. girl . . . 》は、ミノムシが衣服のハギレを素材にミノ(巣筒)をつくったものです。ミノムシは口から出す糸で素材をかがりつけるように繋ぎ合わせ、少しづつミノを大きくしていくことで、自身の身体のサイズに合わせたミノを作ります。
まずINOMATAはこうしたミノムシのクリエイティビティに着目しました。同時にミノムシによってつくられたカラフルなミノを通して「装うこと」について考えをめぐらせています。
「何を着るか」は個々の意思や嗜好だけでなく、異性へのアピールもしくは眼差しへの抵抗、その土地の文化やジェンダーなど、様々な影響も受けるでしょう。また、憧れの服があっても身体的に着れない場合、経済的に手が届かないこともあります。衣服は生活の必需品ですが装いを楽しむ事もできます。装うことの意義や楽しさはどこからきているのでしょう。
※本作品は日本に古くからある子供の遊びであるミノムシの着せ替え(ミノムシに色紙や毛糸を与えてミノを創らせる蓑遊び)を参考にしています。
また、ミノムシの幼虫は、自らがつくったミノの中で過ごしますが、オスは羽化すると「ミノガ」となってミノを脱出し、メスを探して飛び回ります。一方、メスは成虫にはなるものの、その形状はイモムシに近く、ミノの中で一生を過ごします。オスが飛来すれば交尾が成立しますが、動けないメスのミノムシが、自らオスを探しに行くことは出来ないという極限的な性差をもちます。